The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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特集『エビデンスに基づく経頭蓋磁気刺激(TMS)治療』
うつ病に対する経頭蓋磁気刺激(TMS)
鬼頭 伸輔
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2019 年 56 巻 1 号 p. 38-43

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抄録

うつ病は,抑うつ気分,興味・関心や喜びの喪失を基本症状とする精神疾患であり,国内ではおよそ100万人の患者が治療を受けている.一方,約1/3の患者は複数の薬物療法に反応しないとされる.このような治療抵抗性うつ病に対して,わが国でも,反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)が新規治療法として承認された.標準的な刺激条件である左背外側前頭前野への高頻度rTMSは,うつ病にみられる前頭前野と辺縁系領域の機能的不均衡を是正し,うつ病を改善させていると考えられる.rTMSの普及には,有効性および安全性の観点からも適応となる患者に対して適切にrTMSを実施することが肝要であり,その適正使用および技術の均てん化が求められる.

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© 2019 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
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