2019 年 56 巻 10 号 p. 778-783
2008年に奥脇が提唱したハムストリング肉離れのMRIタイプ分類(奥脇分類)は,再発せずに復帰できる期間とよく相関し,予後の予測や復帰の判断にきわめて有用である.奥脇分類を適切に使いこなせば,初期診断で予後の予測が可能になり,再発せずに復帰することがほぼ可能になるので,従来の不確定な肉離れの診断,治療が2008年以降ブレイクスルーした.しかし,奥脇分類使用のノウハウが十分知られていないため,現在もなおMRIで初期診断と受傷後評価をしている例でも再発の発生が後を絶たない.奥脇分類を使いこなすノウハウを提示し,復帰と予防のためのリハビリテーション治療について解説する.