2019 年 56 巻 5 号 p. 371-375
骨粗鬆症の脊椎骨折は,受傷直後には生存率の低下はなく,早期治療の重要性はあまり強調されなかった.しかしながら,椎体骨折後は数年経過してから生存率が減少するために,その治療意義が見直されている.保存治療には,装具治療が最も多く行われている.一方,近年では副甲状腺ホルモン剤などで骨癒合促進させる医療も行われている.低侵襲手術では壊れた椎体にセメントを詰める椎体形成術があるが,侵襲の大きな脊椎変形矯正手術も行われている.高齢者の手術であることから,低侵襲で早期にリハビリテーション治療に移行できるものが望ましい.各症例で全身予備能も異なるため,執刀医と意見を交換しながら,症例ごとにリハビリテーション治療をカスタマイズすることが重要となる.