2022 年 59 巻 3 号 p. 271-276
入院患者の高齢化が進んでいる回復期リハビリテーション病棟で,運動器疾患術後高齢者にリハビリテーション治療への参加を促し効果を出すためには,モチベーションを高める必要がある.人工関節系と骨折系では患者背景が異なり,人工関節系では自己決定性の高い動機づけが多く,骨折系では外部からの強制に従う動機づけが多く,重度認知症を合併している患者では無動機づけの場合もありモチベーションに違いがある.
運動器疾患術後高齢者に対しては,心理的欲求や社会的欲求,認知,感情など患者のモチベーションに配慮して,リハビリテーション治療計画の立案,健康状態の改善,活動の支援,環境の整備などを行うことが重要である.