脊髄損傷患者の回復期においてアドヒアランスを向上させ,モチベーションを引き出す方法として,リハビリテーション治療プログラムの提示が挙げられる.残存高位と機能スケールに応じた現在の進度を患者・家族に説明することによりモチベーションを引き出すことができる.さらに別の手段として,ピアサポートを含む心理的サポートが挙げられる.生活期においては,障害者スポーツの導入が挙げられる.スポーツは体力を向上させるだけではなく,患者に活力を与え,生活全体にわたり,アドヒアランスを向上させることができる.患者の社会生活能力の向上を図り,就労に向けての準備をする目的で自立訓練施設や就労移行支援施設が利用される.