The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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特集『モチベーション&アドヒアランスの向上』
Long COVIDに伴うbrain fogと反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)を用いた治療的介入
佐々木 信幸
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2022 年 59 巻 3 号 p. 277-284

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抄録

新型コロナウイルス感染後に多彩な神経学的症状を中心とする後遺症が高率に続発し,long COVIDとして社会問題化している.強い疲労感やさまざまな認知機能障害,brain fogと呼ばれる脳に霧がかかったようになる症状を呈し,思うように日常生活・社会生活が送れなくなる.これらの症状は過去のパンデミックでも認められ,筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群と関連づけて研究が進められている.原因は判明していないが,感染を契機に炎症反応性・自己免疫性応答として脳神経変性が生じ,特に前頭前野・上縦束由来の症状が出現する可能性が示唆されている.治療法は確立されていないが,反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)による脳局所賦活が有効である可能性がある.

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© 2022 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会

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