慢性疼痛に対するリハビリテーション治療の効果を検証した無作為化比較試験が蓄積され,それらを統合したシステマティックレビュー・メタアナリシスの知見が慢性疼痛の診療ガイドラインに反映されている.リハビリテーション治療の中でも,運動療法は疼痛軽減効果や身体機能の改善効果が認められ,有害事象が少ないことから慢性疼痛治療において実施することが強く推奨されている.また,慢性疼痛患者の認知の歪みを是正するための認知行動療法や患者教育を併用した運動療法も実施することが強く推奨されている.これらの知見やガイドラインの推奨は慢性疼痛治療における指針となり,十分な吟味のうえで活用することが望まれる.