抄録
CKD 患者のwell-being に関する看護領域の文献検討を行い,well-being 実現に向けた看護ケ
アについて検討した。研究論文は,定性的研究と定量的研究のいずれもが報告されていた。定性
的研究では,well-being には身体的側面や認知的側面があることが報告されており,安定した日
常生活を送ることや意思決定のための対話がwell-being に影響することが報告されていた。定
量的研究ではさまざまな尺度が活用されており,身体的因子や精神的因子,スピリチュアルな因
子,さらには経済的因子などで構成されており,それらの関連が報告されていた。介入研究で
は,血液透析治療中にユーモア動画を鑑賞する取り組みや終末期の意思決定におけるピアメン
ターの影響などが報告されていた。Well-being 実現に向けた看護ケアを検討するためには,日
常的な看護ケアが及ぼす影響について,今後さらなるエビデンスの蓄積が望まれる。