日本腎臓リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8253
Print ISSN : 2436-8180
透析患者の足病変と腎臓リハビリテーション: 運動療法の実際
榊 聡子
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2024 年 3 巻 1 号 p. 24-32

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抄録
起立・歩行に影響する下肢・足の形態的,機能的障害(循環障害,神経障害)や感染とそれに 付随する足病変に加え,日常生活を脅かす非健康的な管理されていない下肢・足を足病と定義し ている。透析患者は糖尿病や動脈硬化の影響により,下肢動脈疾患や糖尿病性足病変が重篤化 しやすい。そして,下肢動脈虚血だけではなく,創の大きさ,深さ,部位,感染合併の有無など 多様であり,切断のリスクのある足病を包括的に捉える概念として,包括的高度慢性下肢虚血 (chronic limb-threatening ischemia:CLTI)が提唱されており,今回はCLTI を中心に話を進 めていく。透析患者のCLTI は,フレイルを呈しやすく機能的予後や生命予後が不良である。加 えて,動脈硬化による血流障害などの影響で創傷悪化リスクもある。よって創傷発生予防のかか わりや,創傷治療中における身体機能維持に対するリハビリテーションの役割は大きい。創傷予 防から創傷治療期における運動療法について解説していく。
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© 2024 一般社団法人日本腎臓リハビリテーション学会
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