日本腎臓リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8253
Print ISSN : 2436-8180
腹膜透析患者におけるサルコペニアの 現状と運動療法
山田 将平 櫻田 勉
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2024 年 3 巻 2 号 p. 111-122

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抄録
 腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)は転換期を迎え,患者中心の治療目標の設定が重要視され ている。一般的に血液透析(hemodialysis:HD)と比較し,在宅治療であるPD はより身体活動 が保たれやすいイメージがあるが,疫学研究ではPD 患者はHD 患者と比較し,身体活動量,サ ルコペニアの有病率に差がないことが報告されている。PD 患者における運動介入の報告はまだ まだ限定的であるが,quality of life(QOL)の向上やサルコペニアの予防効果が示されてきてい る。2022 年には,国際腹膜透析学会とGlobal Renal Exercise Network が共同で,PD 患者におけ る運動の実践に関する推奨事項を公開した。このような背景から,今後は運動への介入は,PD 患 者がより良い人生を送るために必要不可欠なものとなり,また医療者が積極的に取り組んでいか なければならない課題である。
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© 2024 一般社団法人日本腎臓リハビリテーション学会
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