1993 年 49 巻 4 号 p. 600-606
CR-DSAは, 腹部から下肢までの連続した良好なサブトラクション画像が得られ, 血管の描出能は, 長尺S/F法やDFと同等以上で, しかもDFで問題になるフィルタリングは全く行う必要がない.造影剤の量は, IADSAと同程度で, 比較的少ない量で撮影できる.また, 被曝線量はDFに比べてかなり少なく, 被曝低減になる.問題点としては, CRの画像処理に要する時間が長いこと, 撮影タイミングの設定がやや難しいことが挙げられる.以上のことより, 今回検討を行ったCR-DSAは, 大視野が必要とされる腹部から下肢の血管性病変に対する血管造影撮影に非常に有用であり, これらの疾患のルーチン検査として使用していきたいと考えている.なお, 本報告の要旨は第48回日本放射線技術学会総会にて発表した.稿を終えるに当たり, 本研究にご協力いただきました九州大学医学部附属病院放射線科血管造影グループの諸先生, 同第二外科血管外科グループの諸先生, 富士メディカルシステム株式会社ならびに東芝メディカル株式会社の方々に深く感謝いたします.