日本放射線技術学会雑誌
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WWW-DB技術を用いた医用画像サーバと連携可能な放射線治療情報管理システムの開発
横濱 則也鍵谷 豪
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2004 年 60 巻 6 号 p. 835-841

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抄録

近年,医療における情報共有と開示に対する要求が高まっていることから,放射線治療部門においても治療情報の電子化は,普及すべき技術であると考える.近年こうした技術は,いくつか提案・実装が行われており,大規模な病院などへ普及しつつある.また,商用システムとして,医用画像管理システムや患者管理システムなどが多数提供されている.しかしながら,これらのシステムは高額であるうえ,医療機関独自の要求への対応は困難である.いずれのシステムも,情報閲覧には専用のソフトウエアが必要で,汎用性に乏しく管理上の問題も存在する.また一方で,従来放射線治療情報の管理・運営・参照には,専用のデスクトップ型計算機と表示ソフトが必要で,可搬性とコストの面で問題があった.われわれは前述の問題を解決するために,オープンソフトウエアの活用,およびソフトウエアの開発を行い,システムを提案した.本提案は,従来別々に運用されていた医用画像管理システムと,放射線治療管理システムを統合してシームレスに参照が可能とし,携帯情報端末を用いて計算機の設置場所にとらわれずに,情報参照を行うものである.この提案により,従来より低コストで情報システムの構築が可能であることが示唆された.また医療情報のセキュリティも問題と考えられるが,本提案では,データの暗号化やアクセス制限を行うことで,セキュリティを高めることが可能となった.本報告では,開発したシステムの概要と応用,およびネットワークセキュリティについて述べる.

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© 2004 公益社団法人 日本放射線技術学会
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