2004 年 60 巻 6 号 p. 842-851
われわれは2002年より開放型Radiology Information System (RIS)実践のプロジェクド"KPECK"を立ち上げ,附属香里病院において新RISへの移行を行っている.システムが"Open"をうたうにはデータも汎用度を無視してはならない.例えば検査情報が標準化された形式ならば,禁忌管理や情報交換など,アクセスするアプリケーションの融通性も進むと考える.KPECKのRISは検査履歴データに照射録データベース(DB)を使用する.そのDBマスターに標準化された,または業界標準のコード体系を採用するべく検討を行った.検査コードの標準化作業は医療情報システム開発センター(MEDIS-DC)等で進められているが,KPECK策定段階では内容は未定であった.そこで日本画像医療システム工業会(JIRA)と保険医療福祉情報システム工業会(JAHIS)から指針が出されているモダリティ間情報交換のためのJJ1017コードを照射録DBに用いることを検討した.本論では照射録DB構築と,照射録DBにおけるJJ1017 ver1.0コードの導入を指針に沿った拡張方式で行った経緯について報告する.