2004 年 60 巻 6 号 p. 852-858
近年,ITによる院内,あるいは,院外への医療情報の配信は,2001年12月の厚生労働省からの「保健医療分野の情報化に向けてのグランドデザイン」によりますます推進されている.当院においては,この動向に際し,1999年6月以前には,各部門の情報を取得する方法は,ほぼないに等しかった.そこで,最終目標を,「オーダリングシステム」,更には「電子カルテシステム」におき,1999年6月にLocal Aria Network(LAN)を使用し,職員全員の情報の共有化の認識度向上を目的とした病床管理システムを構築した.このシステムは汎用ソフトを使用し,患者基本情報,入院情報,あるいは放射線部門,生理検査部門,リハビリ部門の各患者の検査履歴あるいは予約情報を共有化することにより,運用の合理化を図れるものである.われわれ放射線技術科の放射線検査予約情報システムはこの部門システムであり,一般撮影以外のモダリティの予約表を部内でシステム化し,実施入力することにより,患者予約あるいは,履歴データを院内で統一化することができるため,集計を含め,業務の効率化,患者サービスの向上を図ることができたので,そのシステム概要を報告する.