日本放射線技術学会雑誌
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倫理原理と倫理綱領(教育講座 : 医療倫理入門)
岡本 珠代
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2004 年 60 巻 7 号 p. 896-900

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抄録

相次ぐ医療事故や先端医科学技術の歯止めなき推進に危惧を抱く人々は,未来を見据えた現代人の医学や医療行為の倫理性を問い,研究者や医療従事者の倫理観の確立を求めている.そこで,医の倫理とは何かを改めて問い直し,だれでもが納得でき実行可能な,医療者・医科学者の行為の倫理原理と綱領を考えてみたい.この考察では,まず原点に返り,原理の意味と原理を意識しながら行為をすることの重要性を考える.そして,ヒポクラテス的な医療倫理では何が問題なのか,現代の医療・生命倫理では何が不可欠な原理であり,諸問題のどんな解決策が焦眉の急となっているのか,などを検討する.これらの考察は医療従事者がよい行為をする際の指針となるはずである.特に先端医療技術の一翼を担い,社会的影響力の強い放射線技術に携わる人々が留意すべき点を強調したい.

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© 2004 公益社団法人 日本放射線技術学会
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