日本放射線技術学会雑誌
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放射性医薬品取り扱い時の水晶体被ばく線量推定とX線防護メガネを用いた被ばく低減
松友 紀和 深見 光葉小池 貴久山本 智朗
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論文ID: 2022-1201

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抄録

【目的】本研究では,放射性医薬品を取り扱う際の水晶体被ばく線量の推定とX線防護メガネの必要性を検証した.【方法】水晶体等価線量を推定するため,線源(99mTc, 111In, 123I)を蛍光ガラス線量計から30 cmと60 cmの位置に設置して3 mm線量当量率を測定した.また,シリンジシールドと含鉛防護板,X線防護メガネ(0.07, 0.50, 0.75 mmPb)の有無で線量低減率を評価した.【結果】防護具を使用しない場合の3 mm線量当量率は,99mTcで6.13±0.13 µSv/min/GBq, 111Inで23.08±0.19 µSv/min/GBq, 123Iで11.07±0.11 µSv/min/GBqとなった.シリンジシールドと含鉛防護板を使用した場合の線量低減率はすべての放射性核種で90%以上となった.また,鉛当量0.75 mmPbのX線防護メガネの線量低減率は99mTcで68.8%,111Inで60.6%,123Iで68.1%を示した.【結語】放射性医薬品を取り扱う際の推定等価線量は水晶体の等価線量限度を超えない数値であった.鉛当量0.75 mmPbのX線防護メガネは,放射性医薬品(99mTc, 111In, 123I)を取り扱う際の水晶体被ばく線量低減に必要である.

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