日本放射線技術学会雑誌
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放射性医薬品の実投与量に三方活栓とシリンジ内の残存量が及ぼす影響—異なる三方活栓と共洗いの効果—
都能 和俊 太田 翔也
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論文ID: 2022-1259

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抄録

本研究の目的は放射性医薬品投与時に使用する三方活栓とシリンジ内に残存する放射性医薬品の容量(残存量),および共洗いの効果を検証することである.三方活栓はトップインジェクターチューブ,トップ三方活栓,ニプロ針付き活栓を使用した.Sodium pertechnetate [99mTc] injection(99mTcO4)を使用し,共洗いを行わなかった場合と行った場合で,三方活栓とシリンジ内の残存量を比較した.臨床では脳血流シンチグラフィ,ドパミントランスポータシンチグラフィ,骨シンチグラフィを受けた137症例を対象とした.N-isopropyl-p-[123I] iodoamphetamine(123I-IMP),123I-N-ω-fluoropropyl-2β-carboxymethoxy-3β-(4-iodophenyl)nortropane(123I-FP-CIT),99mTc-methylene diphosphonate(99mTc-MDP)を使用し,三方活栓とシリンジ内の残存量を比較した.残存量は三方活栓や放射性医薬品の種類によって異なった.共洗いを行うことで残存量を減少させることが可能であったが,その効果は使用する三方活栓や放射性医薬品の種類によって異なった.三方活栓やシリンジ内の残存量を把握し,差し引くことで,より正確な線量管理が可能となる.

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© 2022 公益社団法人日本放射線技術学会
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