日本放射線技術学会雑誌
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骨SPECT自動解析ソフトウェアにおけるさまざまなTumor-to-normal Bone Ratio画像への適応の可能性
加藤 豊大 市川 肇河上 一公細谷 徹夫阪野 友哉加藤 大貴伊藤 恵望
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論文ID: 2024-1497

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抄録

われわれはtumor-to-normal bone ratio(TNR)が骨SPECT自動解析ソフトウェア(Hone Graph)の自動解析による検出能スコア(detectability score classified by software: DSsoft)と視覚評価による検出能スコア(detectability score classified by visual assessment: DSvisual)の一致率に与える影響を検討し,本ソフトウェアにおけるさまざまなTNR画像への適応の可能性について考察した.TNRが4, 6および8にファントム調整したSIM2 bone phantomに対し12分間のダイナミックSPECTを撮像し,撮像・再構成条件の異なる計384通り(96-SPECT)の試料を作成した.DSsoftとDSvisualの間の重み付けカッパ(κw)係数を検証し,新たに作成した自動解析パラメータ適用時のソフトウェアの自動解析精度を評価した.なお,検出能スコアは4段階(4: Excellent, 3: Adequate, 2: Average, 1: Poor)と定義し,視覚評価は3名の核医学専門技師により施行された.DSsoftとDSvisualのκw係数は,TNR 4, 6, 8の時にそれぞれ0.75, 0.97, 0.93となり,それぞれのκw係数は有意(p<0.01)となった.本検討で新たに作成した自動解析DTAパラメータを適用すると,TNR 4の試料群において有意なκw係数の上昇がみられた.本研究において,本ソフトウェアはあらゆるTNRの試料においても視覚評価と近いDSsoftの自動解析精度を有し,TNR 4の試料においては本検討から導いた新たなパラメータを適用することで解析精度が向上することが示された.本ソフトウェアは骨SPECTの撮像技術の最適化のための強力なツールとなることが示唆された.

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