日本臨床外科学会雑誌
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症例
胃切除術後柿胃石によるイレウスの1例
山本 紀彦細田 洋平西原 政好山本 真島田 守岡 博史
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2007 年 68 巻 3 号 p. 582-586

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抄録

残胃胃石によるイレウスは比較的稀で, 術前診断が困難なことも多い. 今回われわれは, 術前に診断しえた1例を経験したので報告する. 症例は76歳, 男性. 胃癌にてBillroth II法再建による胃切除術を受けている. 2006年2月吃逆, 嘔吐出現し近医より紹介されイレウスの診断にて入院となる. 約1カ月間柿を食していた. イレウスチューブからの小腸造影で小腸内に楕円形の透亮像を認め, CT検査にて内部含気性の腫瘤像を確認した. 落下胃石による小腸嵌頓と診断し開腹手術を施行した. 回腸末端から60cmの口側に嵌頓した結石を認め, 腸切開にて8.4×4.6×4.4cmの結石を摘出した. 結石分析によりタンニン98%の結果を得, 柿胃石と診断した. 術後経過は良好で術後20日目に軽快退院した.

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© 2007 日本臨床外科学会
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