日本臨床外科学会雑誌
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症例
胃壁外型有茎性発育を呈したGISTの1例
柴 浩明中田 浩二羽生 信義柏木 秀幸矢永 勝彦
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キーワード: , 有茎性発育
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2007 年 68 巻 3 号 p. 587-590

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抄録

症例は63歳, 女性. 他院腹部CTで胃壁に接する直径8cmの腫瘤を認め当科紹介受診. 上部消化管内視鏡検査で胃粘膜面に所見を認めず, 超音波内視鏡検査では胃壁との連続性を認めるものの穿刺針生検は困難であった. 胃壁外性発育を呈する胃粘膜下腫瘍の診断で開腹手術を施行. 腫瘍は網嚢腔内に存在し, 胃体下部大彎と径5mmの茎により連続していた. 胃楔状切除を施行し腫瘍を摘出した. 腫瘍は85×70×52mmで一部に嚢胞性部分を認めた. 腫瘍細胞はspindle cellの束状, whorl状の増殖を呈し, 核分裂像はほとんど認めず, 免疫組織学染色検査ではCD34, c-kit, α-SMA陽性, S-100陰性で広義のGISTと診断した. 術後経過は良好で術後第13病日に退院した. 近年, GISTの概念が提唱され多数の症例報告がみられるが, 有茎性に胃壁外性発育を示すものは少ないため, 文献的考察を加えて報告する.

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© 2007 日本臨床外科学会
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