日本臨床外科学会雑誌
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症例
血清CEA高値を契機に診断された膵腺扁平上皮癌の1例
竹島 薫山藤 和夫馬場 秀雄岡本 信彦及川 太松井 淳一
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キーワード: 膵臓, 腺扁平上皮癌, CEA
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2008 年 69 巻 2 号 p. 443-447

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抄録
血清CEA高値を契機に発見された膵腺扁平上皮癌の1例を経験したので報告する.症例は84歳,男性.高血圧にて当院循環器科通院中にごく軽度の左下腹部痛を自覚したため便潜血反応および腫瘍マーカーを調べたところ,便潜血反応は陰性であったがCEA高値であった.当院消化器内科受診し精査にて膵体尾部癌と診断され手術施行した.術後病理診断は,膵腺扁平上皮癌であった.われわれ消化器専門医にとって本症例の主訴に対する初期スクリーニング検査として下部消化管検査が妥当ではあるが,便潜血反応のみを施行した場合には本症例の膵癌の診断が遅れた可能性は否定できない.つまり,消化器専門医が診察した場合に癌の診断・発見が遅れてしまうという矛盾が自験例には潜在している.このような矛盾の存在を常に意識して診療を行うことも診療の精度をさらに高める上で重要であると考えられる.
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© 2008 日本臨床外科学会
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