日本臨床外科学会雑誌
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症例
CT画像が診断に有用であった肝円索膿瘍の1例
伊藤 哲哉池田 祐司青木 浩一森 尚秀山家 仁伊藤 俊哉
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キーワード: 肝円索膿瘍
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2008 年 69 巻 3 号 p. 631-635

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抄録
症例は71歳,女性.嘔吐と上腹部痛により,当院救急外来を受診した.WBC 11,100/μl,CRP 0.5mg/dl,s-amylase 1472IU/lを示し,軽症急性膵炎の診断のもとに膵酵素阻害剤,抗生物質,輸液療法を行った.第2病日にはs-amylaseは正常値に復したが,腹痛は増強し,WBC数とCRP値も漸次増加した.腹部CTでは上腹部正中線の腹壁直下に3×1.5cm大の淡い腫瘤陰影を認めた.第9病日にはこの腫瘤は7×4cm大へと増大し,低密度性で縞模様の内部構造を示しており,肝円索壊死が疑われた.開腹所見では膿瘍形成を伴う炎症性の肝円索腫瘤であった.細菌培養にてEnterobacter cloacaeを同定した.組織学的に主病変は壊死性脂肪織炎の所見を示した.肝円索膿瘍は急性腹症の範疇に入る疾患でありながら,その報告例は極めて少ないので本疾患の外科臨床上の概念について検討した.
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© 2008 日本臨床外科学会
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