日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳腺matrix-producing carcinomaの1例
時庭 英彰堀口 淳鯉淵 幸生飯野 佑一小山 徹也竹吉 泉
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キーワード: Matrix-producing carcinoma, MRI
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2008 年 69 巻 8 号 p. 1892-1896

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抄録

患者は35歳,女性.2007年3月に左乳房腫瘤に気付き受診した.左乳房A領域に1.9cm大の腫瘤を触知した.マンモグラフィで境界不明瞭な腫瘤を認め,超音波検査で不整形の低エコー領域を認めた.MRIでは中心部に非造影部のある高信号領域を認めた.針生検で浸潤性乳管癌の診断で,乳房温存術とセンチネルリンパ節生検を行った.腫瘍の割面は,黄褐色充実性で限局していた.病理検査では,癌腫上皮から軟骨基質への直接移行がみられ,Matrix -producing carcinoma(MPC)と診断した.
MPCはmetaplastic carcinomaの一亜型で,稀な疾患である.本邦における報告例の文献的考察を含め,報告する.

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© 2008 日本臨床外科学会
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