抄録
76歳,男性.慢性関節リウマチでメソトレキセートとプレドニゾロンを内服していた.2003年6月に下行結腸癌で腹腔鏡補助下下行結腸部分切除施行.pSMN0M0 stageIであった.2004年8月にはS状結腸癌を認め,腹腔鏡補助下S状結腸部分切除施行.pSMN0M0 stageIであった.2007年8月胸部CTで右肺S3に約3cmの結節影を認めた.血痰,胸痛,咳あり.精査にて慢性壊死性肺アスペルギルス症と診断した.ボリコナゾール(VRCZ)を先行投与し,経過中に病変の縮小と自覚症状の改善を認めた.右肺上葉切除+広背筋弁による気管支断端被覆術施行した.病理ではアスペルギルス菌糸を認めず,アスペルギルスが壊死吸収されたと思われた.慢性壊死性肺アスペルギルス症に対してVRCZが著効したと考えられた症例であった.