抄録
症例は71歳,男性.腹痛を主訴に当院を受診した.腹部に限局した圧痛と筋性防御を認めた.dynamic CTにて遠位回腸に早期相で造影効果の不良な領域を認めた.腹部血管造影では腸間膜血管の攣縮像は認められなかった.試験開腹を行ったところ遠位回腸に非連続性の虚血性変化を認めたが壊死は認められなかった.塩酸パパベリンの持続動注を36時間行ったのちのCTでは遠位回腸は早期相から良好に造影されるようになり,second look operationでも回腸の血流は改善していた.NOMIは腹部血管造影での腸間膜血管の攣像をもって診断されることが多いが,本症例ではNOMIによる腸管の血流障害がdynamic CTの早期相での腸管の造影不良として描出された.
dynamic CTで術前診断しsecond look operationで血流の改善を確認したNOMIの1救命例を経験したので報告した.