日本臨床外科学会雑誌
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症例
鼠径部の膨隆を主訴とした高分化型後腹膜脂肪肉腫の1例
久保田 哲賀川 義規加藤 寛章清水 潤三池田 公正北田 昌之
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2010 年 71 巻 1 号 p. 216-220

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抄録
症例は27歳,男性.右鼠径部に膨隆を自覚し,他院にて右鼠径ヘルニアと診断され手術施行されたが,ヘルニア嚢はみとめず脂肪腫切除のみ行われた.術後10カ月より再び右鼠径部の膨隆をみとめ術後1年2カ月後に当科初診となった.身体所見と超音波検査より右鼠径ヘルニア再発と診断し手術を施行した.しかしヘルニア嚢は確認できず,内鼠径輪外側より発生する脂肪腫のみ認めた.脂肪腫を切除し病理組織検査に提出すると高分化型脂肪肉腫と診断された.腹部CTでは後腹膜に脂肪の増生を認め,後腹膜から発生した高分化型脂肪肉腫と判断した.このため開腹下に追加切除を行った.鼠径部腫瘤を契機に発見された後腹膜脂肪肉腫は稀であり,自験例を含め本邦では7例しか報告がない.われわれは,鼠径部の膨隆を主訴とする後腹膜脂肪肉腫の1例を経験したので報告する.
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© 2010 日本臨床外科学会
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