日本臨床外科学会雑誌
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症例
弾性線維腫の2手術例
富永 哲郎生田 安司黨 和夫柴崎 信一内藤 愼二岡 忠之
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2010 年 71 巻 3 号 p. 859-862

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抄録

症例は58歳と60歳の男性.ともに右肩甲骨下部の腫瘤と疼痛を訴え来院した.いずれの症例でも肩甲骨下に弾性硬,境界不明瞭な腫瘤を触知した.胸部CTで低吸収域の腫瘤,胸部MRIでT1強調像・T2強調像ともに高信号域と低信号域が混在する腫瘤がみられた.発生部位と画像所見より弾性線維腫と診断し,腫瘤摘出術を施行した.病理組織は膠原繊維の増生と,elastic van Gieson stainで黒褐色に染まる弾性線維を認めたため,最終的に弾性線維腫と診断された.ともに疼痛は消失し,術後10カ月・5カ月再発はみられていない.

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© 2010 日本臨床外科学会
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