抄録
症例は60歳,女性.下行結腸癌の診断で腹腔鏡下下行結腸部分切除術施行後,近医で経過観察されていた.大腸内視鏡検査の下剤を服用後,腹痛と嘔吐が出現し,当院救急外来を受診.腹部単純CTで機能的端々吻合部に直径約7cm大の便塊が描出され,糞便イレウスを呈していた.ガストログラフィンによる注腸造影で吻合部肛門側腸管での便塊の嵌頓を解除したのち,大腸内視鏡下で便塊を破砕すると,硬便が自然排便されて軽快した.憩室様になった機能的端々吻合部で形成された便塊が,吻合部肛門側腸管に嵌頓したため,糞便イレウスを呈したものと思われた.結腸─結腸間で機能的端々吻合を施行する際は,吻合部の極端な憩室様変化を避けるために,肛門側腸管径に対して,非生理的に大きな吻合径にならないよう留意しなければならないと反省させられた1例であった.