日本臨床外科学会雑誌
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症例
早期食道癌の術後経過観察中に出現した孤立性腋窩リンパ節転移の1例
國府島 健片岡 正文杭瀬 崇岡田 剛湯川 拓郎大原 利憲
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2010 年 71 巻 6 号 p. 1467-1470

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抄録
症例は67歳,男性.2004年11月に胸部中部食道癌(Mt)および胃癌(U)にて,食道亜全摘,噴門側胃切除,2領域リンパ節郭清を行った.術後病理学的検査では食道癌は中分化型扁平上皮癌で深達度m3(MM),胃癌は高分化型腺癌で深達度m,リンパ節転移は縦隔,腹部ともに陰性であった.術後30カ月目,左腋窩リンパ節腫大が出現し,摘出生検にて低分化型扁平上皮癌が認められた.全身検索を行ったが明らかな原発巣は指摘できず,病変は左腋窩に限局していると考えて,左腋窩リンパ節郭清を施行した.術後は特に放射線療法や化学療法を施行せず経過をみているが,左腋窩リンパ節郭清から約30カ月(食道癌手術からは約60カ月)経過した現在も無再発生存中である.本症例は非常に稀ではあるが,早期食道癌の孤立性腋窩リンパ節転移の可能性が考えられた.
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© 2010 日本臨床外科学会
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