日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
右側肝円索患者の胆管腫瘍栓合併肝細胞癌に対して肝後区域切除術を施行した1例
小木曾 聡猪飼 伊和夫村上 隆英奥知 慶久西川 元畑 啓昭
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 72 巻 4 号 p. 972-977

詳細
抄録
症例は84歳,女性.既往歴は慢性C型肝炎である.82歳時に肝後区域の肝細胞癌にラジオ波焼灼術(RFA)を施行され,その後2度の再発に対しRFAで治療された.4カ月前,肝後区域に肝細胞癌再発を指摘されたが本人希望により経過観察された.今回,再発肝細胞癌からの胆管腫瘍栓進展に伴い閉塞性胆管炎を繰り返すため,手術の方針となった.腹部造影CTにて,肝後区域に7cm大の腫瘍と後区域枝胆管内腫瘍栓,外側区域表面に1cm大の腫瘍,右側肝円索と門脈・肝動脈・胆管の分岐異常を認め,肝後区域切除,胆管腫瘍栓摘出,外側区域部分切除術を行った.右側肝円索は,門脈右枝に臍部が存在してそれに肝円索が連なり,胆嚢が肝円索の左側に位置する稀な変異で,頻度は0.1~1.2%と報告されている.右側肝円索には脈管の分岐異常を伴うことが多く,脈管侵襲肝細胞癌の外科的治療に際しては,術前の詳細な画像検索と慎重な手術計画が重要である.
著者関連情報
© 2011 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top