抄録
【目的】Surgical Apgar Score(SAS)を用いた75歳以上の高齢者大腸癌手術の術後合併症予測について検討した.【方法】1995年から2010年までの当院で手術を施行した大腸癌患者99例(75~99歳)を対象とした.【結果】根治度は根治術が88例(88.9%),非根治術が11例(11.1%)であった.術前併存症は32例(32.3%)に認め,循環器障害が最多であった.GradeIII・IVの合併症は18例(18.3%)であり,手術関連死亡例は4例(4.0%)認めた.SAS(低リスク群・中リスク群・高リスク群)は19例・76例・4例であり,各群でのGradeIII・IVの術後合併症発生率は低リスク群で5.3%中リスク群14.5%・高リスク群で50%であり,手術関連死亡率は低リスク群で0%・中リスク群3.9%・高リスク群で25%であった.ROC曲線での検討ではC統計量が0.732,漸近有意確率が0.002であり,SASが転帰と相関していた.多変量解析ではSASが術後合併症発生に関する独立危険因子であった.【考察】高齢者大腸癌の治療においてSASを用いた術後合併症のリスク評価は簡便で有用であった.