抄録
今回,われわれは亜全胃温存膵頭十二指腸切除(SSPPD)術後に胆管空腸吻合部狭窄による肝内胆管結石,閉塞性黄疸および慢性胆管炎を併発し,ビタミンA欠乏による夜盲を発症した1例を経験したので報告する.
症例は73歳,女性.3年前に膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に対してSSPPDを施行された.2年前より,多発肝内胆管結石,閉塞性黄疸および慢性胆管炎を繰り返し,今回,胆管炎の急性増悪のため入院となった.経皮経肝胆道ドレナージ,肝内胆管結石切石と胆管空腸吻合部バルーン拡張により,胆管炎および閉塞性黄疸は改善した.入院時,ビタミンA欠乏による夜盲を認め,ビタミンAを筋注投与した結果,夜盲も速やかに改善した.
胆汁流出障害に伴う吸収障害,閉塞性黄疸や胆管炎に伴う肝での貯蔵能低下がビタミンA欠乏の原因として考えられた.