日本小児血液・がん学会雑誌
Online ISSN : 2189-5384
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症例報告
頸部リンパ節生検後に卵巣破裂を生じた胸部横紋筋肉腫Stage IVの1例
笠井 智子高見澤 滋好沢 克清水 徹大澤 絵都子内田 恵理子坂下 一夫倉田 敬小森 一寿古井 優
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2022 年 59 巻 1 号 p. 35-38

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抄録

13歳女児.長引く咳嗽に対して精査を行った際に左胸腔内に腫瘤性病変を認め当院紹介となった.診断目的に腫大した右鎖骨上窩のリンパ節生検を行い,その他の検査結果と合わせて多発骨髄転移,リンパ節転移を伴う左胸腔内原発横紋筋肉腫(Stage IV)と診断した.自験例では多発骨髄転移に伴う骨髄抑制下で腫瘍生検を行い急激に凝固異常が進行したため,術後に特発性の卵巣破裂を生じて卵巣摘出が必要となった.さらに開腹創の皮下出血が止血困難となり,開腹止血術が必要となった.骨髄抑制下での手術はより慎重な止血処置と十分な血液製剤の補充が必要であると思われた.

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© 2022 日本小児血液・がん学会
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