日本臨床外科学会雑誌
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症例
上腹部痛を契機に診断された肝悪性リンパ腫の1例
松永 浩子中村 典明入江 工田中 真二新井 文子有井 滋樹
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2012 年 73 巻 6 号 p. 1502-1507

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抄録
症例は38歳,男性.心窩部痛と発熱を主訴に前医を受診,肝左葉に巨大腫瘤を認め当院紹介受診となった.検査所見ではALP,LDH,CRP,可溶性インターロイキン2受容体値が上昇,腫瘍マーカーは正常範囲内であった.画像上病変は肝左葉に径約20cm大の境界明瞭な乏血性の腫瘍として描出され,肝十二指腸間膜周囲と胃周囲のリンパ節腫大を認めた.確定診断には至らなかったが腫瘍が増大傾向であり心窩部痛と腹部膨満感も著しかったため手術を施行した.切除した腫瘍は白色,充実性の腫瘍であった.病理組織検査で異型細胞のびまん性増殖を認め,免疫染色法でCD20陽性,Diffuse large B-cell lymphomaと診断された.術後のPET-CTで肝外のリンパ節にも異常集積を認め全身化学療法(R-CHOP療法)を施行して完全奏効となった.上腹部痛を契機に診断された肝悪性リンパ腫の1切除症例を経験したため報告する.
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© 2012 日本臨床外科学会
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