抄録
症例は51歳,女性.下行結腸癌に対して左結腸切除術を施行した.病理組織学的所見は中分化型腺癌でpSS,ly0,v3,pN0,sH0,cP0,cM0,stage IIであった.テガフールウラシル/ホリナートカルシウムによる術後補助化学療法を施行した.術後4カ月に施行した腹部骨盤CT検査で,門脈右枝前区域枝にlow density areaを認めた.18FDG-PET-CTでは同部位にFDG集積亢進を認めたが,他に異常集積は認めなかった.門脈腫瘍栓と診断し肝右葉切除術を施行した.肉眼所見および病理組織学的所見では,肝実質には明らかな転移巣を認めず,門脈腫瘍栓は原発巣に類似した中分化型腺癌であった.大腸癌の肝転移を伴わない門脈腫瘍栓は極めて稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.