抄録
研究の目的:消化管バイパス手術は経口摂取を可能にするための緩和手術として広く行われているが,その有効性を評価した検討は非常に少ない.本研究の目的は,当院における消化管バイパス手術の有効性を客観的に検証することである.
方法:2003年1月から2010年12月までに切除不能進行癌による消化管閉塞に対し,当院で消化管バイパス手術を施行した28例を対象とした.手術の有効率,経口摂取可能期間,生存期間,および臨床因子との関連性を検討した.
結果:手術の有効率は75%,経口摂取可能期間の中央値は76日,50%生存期間は133日であった.術後化学療法を行えた群では経口摂取可能期間,生存期間ともに有意な延長を認めた.
結論:消化管バイパス手術はquality of life向上のための緩和手術としてだけでなく,集学的治療においても有用である.一方で,術後に改善の得られない症例もあり,適切な症例を選択するための指標を確立することが急務である.