日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
脾臓浸潤を伴った肝外発育型肝細胞癌の1例
馬場 活嘉新上 浩司宇治 祥隆山口 方規高尾 貴史入江 康司
著者情報
キーワード: 肝細胞癌, 肝外発育型, 脾臓
ジャーナル フリー

2012 年 73 巻 8 号 p. 2027-2034

詳細
抄録
症例は82歳,女性.慢性B型肝炎の経過観察中に肝外側区域より突出する肝外発育型肝細胞癌を認めた.診断当初は他臓器浸潤や脈管侵襲,肝内転移を認めなかったが,無症状であったため治療を希望されず経過観察となった.しかし,診断後5カ月ほどして徐々に倦怠感や食思不振が出現してきたため,手術を行う方針となった.術前のCTでは,尾状葉(Spiegel葉)への肝内転移を認め,腫瘍は直接脾臓へ浸潤し,門脈左枝には腫瘍栓を認めた.肝予備能はLiver damage Bと不良であったが,左葉の大部分を腫瘍が占拠していたことから耐術可能と判断し,拡大肝左葉切除と脾臓合併切除を行った.術後,肝動注補助化学療法を約1年間行い,術後約2年経過した現在も無再発生存中である.肝外発育型肝細胞癌の脾臓への直接浸潤に関する報告は検索しえた限りでは2例のみと極めて稀であり,文献的考察を加え報告する.
著者関連情報
© 2012 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top