2012 年 73 巻 9 号 p. 2415-2420
症例1は80歳,女性.盲腸癌の術後14カ月目に腹壁再発をきたし,腹壁再発巣切除およびコンポジットメッシュによる腹壁再建術を施行した.術後3カ月でメッシュ感染が合併し,保存的治療を行ったが改善しないため,メッシュ除去術を施行した.症例2は82歳,女性.直腸S状部癌の術後17カ月目に腹壁瘢痕ヘルニアをきたし,コンポジットメッシュによるヘルニア修復術が行われた.術後8カ月目にメッシュ感染が合併した.保存的治療にて改善せず,感染の発生から12カ月目にメッシュ除去術を施行した.比較的稀な遅発性メッシュ感染の2例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.