日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下に治療した特発性大網出血の1例
河原 健夫鈴木 和志山崎 由紀子宇野 雄祐松山 孝昭小谷 勝祥
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2013 年 74 巻 8 号 p. 2289-2295

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抄録
症例は22歳,男性.起床時に何の誘因もなく上腹部痛出現.近医受診し,腹部CTで腹腔内液体貯留を認め,腹腔内出血を疑われ入院加療した.発症第4病日に精査加療目的で当院へ紹介となった.腹部造影CTでは胃大弯左側大網内に血腫と思われる腫瘤像を認めた.腫瘤に造影効果はなく,造影剤の血管外漏出もみられなかった.腹部血管造影検査でも造影剤漏出は認めず,動脈瘤,動静脈奇形などの血管病変も認めなかった.以上より特発性大網出血と推測した.Vital signは安定していたが再出血の危険回避,原因検索の目的で腹腔鏡手術を施行した.術前診断通り胃大弯側左胃大網血管に沿う大網内に血腫を認めた.左胃大網血管を含めて大網左側を切除した.病理所見で血管病変を認めず,特発性大網出血と診断した.今回,特発性大網出血に対して腹腔鏡下に治療した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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© 2013 日本臨床外科学会
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