日本臨床外科学会雑誌
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原著
研修医が初めて執刀する腹腔鏡下虫垂切除術の現況
中野 順隆寺島 秀夫塚本 俊太郎真船 太一高橋 一広今村 史人間瀬 憲多朗丸森 健司神賀 正博
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2013 年 74 巻 9 号 p. 2349-2354

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抄録

目的:研修医にとって最初の鏡視下手術として腹腔鏡下虫垂切除術を導入した際の現況について検討した.方法:2011年4月から2012年8月の期間で研修医7名が術者を務めた55例を対象とした.開腹手術(open appendectomy:OA)群31例,鏡視下手術(laparoscopic appendectomy:LA)群24例であり,retrospectiveに比較検討した.研修医全員にとってLAが最初の鏡視下手術であり,事前にドライボックスのトレーニングを指導し,術後,意識調査を行った.結果:両群間で患者背景因子,手術時間,術後在院日数,手術部位感染数のいずれも有意差は認めなかった.全員から,LAは「術野の確保」,「解剖学的な理解」に優れているとの回答を得た.結語:事前トレーニングを適切に行うことで初めてのLAでも手術時間は延長せず,外科解剖学の学習観点でも有益であると考えられた.

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© 2013 日本臨床外科学会
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