日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹部大動脈瘤術後18年で発生した大動脈腸管瘻の1例
利府 数馬大木 伸一三澤 吉雄
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2014 年 75 巻 1 号 p. 60-63

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抄録
症例は78歳,男性.18年前に腹部大動脈瘤に対しY型人工血管置換術の既往があり,吐下血で近医へ救急搬送された.上下部内視鏡施行されるも出血源不明で,精査目的で当院へ転院となった.転院後の腹部造影CTで腹部大動脈十二指腸瘻と診断し,準緊急手術を施行した.まず,右腋窩-両側大腿動脈バイパス術を施行し,次に,腹部正中切開で開腹した.人工血管中枢側の吻合部瘤が空腸など周囲組織と強固に癒着していた.吻合部瘤の中枢側は腎動脈下大動脈で,末梢側は人工血管で血流を遮断し,瘤を切開し,瘻孔部位を内腔から確認した.瘻孔部を縫合閉鎖し,中枢側の大動脈を断端閉鎖した.移植されていた人工血管は脚末梢を除いて可及的に切除した.断端などの感染予防目的に大網を充填し手術終了とした.術後経過は良好で血管関連合併症はなく,術後約6年後に肺癌で死亡した.術後長期間経過した大動脈腸管瘻は比較的稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.
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© 2014 日本臨床外科学会
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