p. 96-
海洋大気有機エアロゾルの起源を明らかにするため、海洋基礎生産の高い海域(東部熱帯太平洋、亜寒帯西部北太平洋)において研究船による有機エアロゾル観測と起源解析を行ってきた。東部熱帯太平洋域におけるエアロゾル中では、水溶性有機炭素(WSOC)の全炭素に占める平均質量割合がChl a濃度の低い海域で30-35%、Chl a濃度の高い海域では約60% であり、生物生産の高い海域での有機エアロゾルは水溶性が高かった。WSOCの安定炭素同位体比(δ13CWSOC: -19.8±2.00/00)はChl a濃度の大小に関わらず海洋表層水中の溶存態有機炭素(DOC)δ13C典型値内であることが明らかになった。WSOCは表層海水DOCに富むことが示唆され、WSOCへの起源寄与は約90%と見積もられた。本研究から、海域によらずDOC濃度は海洋大気混合層における清浄大気中の有機エアロゾル濃度を特徴付けている可能性が示唆された。