抄録
症例は30代,男性.潰瘍性大腸炎(全大腸炎型)と診断され,内科的治療を継続し,年1回サーベイランス内視鏡検査を施行されていた.発症18年目の下部内視鏡検査で直腸に25mm大の腫瘍性病変が認められ,生検ではhigh grade dysplasiaであったが,超音波内視鏡検査・CT検査・注腸検査などから潰瘍性大腸炎の炎症を背景に出現したcolitic cancerと診断,リンパ節郭清を伴う大腸全摘,直腸粘膜抜去,J型回腸嚢肛門吻合,一時的回腸人工肛門造設術を施行した.術後永久病理組織検査では,腫瘍は中分化管状腺癌>粘液癌,SS (A),ly0,v1,n0,Stage IIと診断され,全割標本では直腸粘膜抜去した歯状線直上まで広範囲にdysplasiaの進展が認められた.