抄録
症例は40歳台,女性.腹痛を主訴に当科受診しCTにてS状結腸癌の穿孔および左卵巣浸潤・後腹膜浸潤による水腎症が疑われた.緊急手術施行したが後腹膜への浸潤が強く根治切除は困難と判断し,双孔式横行結腸人工肛門造設施行した.術後に腫瘍の縮小を狙い,FOLFOX4療法を6コース施行した.化学療法後のCTでは病変の縮小を得られ,PRの効果判定であった.根治切除の方針とし,S状結腸切除・左付属器切除施行した.病理組織学的検査で化学療法の効果判定はGrade1bであった.si(ov),ly3,v0,n0,P0,H0,fStage IIであった.術後カペシタビンで補助療法を施行し,現在術後4年経過したが再発兆候を認めていない.穿孔性腹膜炎で発症した局所進行S状結腸癌に対し姑息手術を行った後に化学療法で縮小を得ることで二期的に治癒切除することが可能であった症例を経験したため文献学的考察を加え報告する.