抄録
症例は82歳の男性.下部胆管癌に対し膵頭十二指腸切除術を施行後,術後補助化学療法として塩酸ゲムシタビンを投与され,その後,外来フォローされていた.術後6年目に発熱と全身倦怠感が出現し,近医を受診したところ,炎症性マーカーと肝胆道系酵素の上昇を認め,CTで肝膿瘍および肝門部の嚢胞性病変を指摘された.精査加療目的に当院へ転院後,抗菌薬投与により肝膿瘍の改善を認めたが,嚢胞性病変は変化を認めなかった.膵仮性嚢胞を疑いEUS下経胃嚢胞穿刺ドレナージおよびダブルバルーン内視鏡を施行したところ,嚢胞性病変は胆管空腸吻合部の再発狭窄により拡張した挙上空腸と判明した.EUSガイド下経胃空腸穿刺によりステントを留置したところ,減黄が可能となり原病死するまでQOLを維持できた.EUSガイド下経胃空腸ステントは,膵頭十二指腸切除後の胆汁ドレナージの選択肢の一つとして有用と考えられる.