抄録
4歳,男児.胎児期より上縦隔腫瘍を指摘されていたが,縮小傾向を認めないために手術を行う方針とした.術前画像検査では,異常動脈は明らかではなく,縦隔腫瘍と先天性嚢胞性肺疾患との鑑別が困難であったことから,胸腔鏡下手術を行う方針とした.胸腔鏡所見では,上縦隔に位置する虚脱した肺組織様の病変は2mm径の異常動脈を伴う肺葉外肺分画症であり,胸腔鏡下摘出を行った.肺分画症の診断には異常血管の同定が必要だが,術前画像所見でははっきりせず,縦隔腫瘍等と術前診断されることが多く報告されており,また近年,小児先天性嚢胞性肺疾患に対する胸腔鏡下手術の有用性が報告されている.本症例のように,異常動脈が細く術前診断が困難である肺葉外肺分画症症例には,胸腔鏡下観察および胸腔鏡下摘出が有用であると考えられた.