日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳癌術後にtoxic shock syndromeを発症した1例
山下 美智子亀井 義明村上 朱里杉森 和加奈馬越 健介本田 和男
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キーワード: TSS, 術後, 局所陰圧閉鎖療法
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2015 年 76 巻 5 号 p. 955-960

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抄録

今回,われわれは乳癌術後にtoxic shock syndromeを発症し,重篤な経過を辿ったが集中治療により救命できた1例を経験したので報告する.症例は48歳の女性.左乳癌に対し術前化学療法後に乳房切除術,腋窩リンパ節郭清を施行した.術後出血を認めたが,圧迫にて止血され皮弁下に血腫が残存した.術後22日目にドレーンを抜去し,同日退院した.退院日の夕方より発熱および嘔吐下痢症状があり,術後24日目に緊急入院した.胸腹部CTでは左前胸部から側腹部に軟部陰影,皮弁下にガス像を認めた.創を開放すると広範囲に筋肉の壊死を認め,壊死性筋膜炎と診断した.入院後ショック状態となり集中治療を開始した.創部に対し局所陰圧閉鎖療法を開始した.創部の細菌培養からMRSA(ET-CおよびTSST-1産生株)が検出された.集中治療により全身状態は改善し,創部に関しても局所陰圧閉鎖療法により局麻下に創の再縫合が可能となった.

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© 2015 日本臨床外科学会
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