日本臨床外科学会雑誌
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症例
膵動脈瘤破裂後の血腫により発症した十二指腸閉塞の2例
高見 友也山口 智之大島 侑畑野 光太郎若間 聡史片岡 直己
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2015 年 76 巻 7 号 p. 1701-1705

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抄録
われわれは,膵動脈瘤破裂後の血腫に伴う十二指腸閉塞をきたした2例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.症例は腹痛を主訴に受診しCT検査で腹部内臓動脈瘤の破裂と診断され,血管造影で膵動脈に動脈瘤を認めた2例で,1例は経過観察とし,1例は塞栓術を行い,2例とも経過は良好であった.しかし,退院後に腹痛と嘔吐が出現し,十二指腸閉塞の診断となった.保存的治療でいずれも改善し,その後の経過は良好であった.膵動脈瘤破裂後には,血腫に伴う十二指腸閉塞をきたす場合があるため,経過観察が必要と考えられた.
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© 2015 日本臨床外科学会
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