日本臨床外科学会雑誌
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症例
感染性心内膜炎による多発内臓動脈病変を伴う右肝動脈瘤胆嚢内穿破の1例
八木 亮磨青野 高志鈴木 晋佐藤 友威岡田 貴幸長谷川 正樹
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2015 年 76 巻 9 号 p. 2130-2135

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抄録
症例は77歳,女性.感染性心内膜炎および心臓弁膜症に対し人工弁置換術,同時期にくも膜下出血の既往がある.心窩部痛を主訴に近医を受診し,胆石胆嚢炎と診断され当院紹介となった.入院保存的治療中に,突然の下腹部痛が出現した.腹部造影CT検査で,左下腹壁動脈からの出血と考えられる腹壁血腫を認めた.また当初,胆石と考えられていた病変は,右肝動脈瘤であり,動脈瘤が増大し胆嚢内に穿破したものと診断した.右肝動脈瘤に対して,経カテーテル動脈塞栓術を施行した.この際に上腸間膜動脈の閉塞も確認され,これらの多発血管病変は感染性心内膜炎に伴うものと考えられた.感染性心内膜炎を契機に多発内臓動脈病変を呈し,右肝動脈瘤が胆嚢内に穿破した本症例は非常に稀である.内臓動脈瘤は破裂した場合,死亡率が高く,迅速な対応を要する.感染性心内膜炎の既往がある患者では,内臓動脈病変を呈することがあることを念頭に置くべきである.
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© 2015 日本臨床外科学会
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