日本臨床外科学会雑誌
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症例
尿膜管小腸瘻を伴った尿膜管膿瘍の1例
岩崎 謙一森谷 雅人和田 敏史野田 賢治郎草間 博土田 明彦
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2015 年 76 巻 9 号 p. 2309-2313

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抄録
症例は68歳の男性.発熱と腹痛を主訴に当科を受診.腹部CT検査上,尿膜管膿瘍を疑う所見を認め,精査加療目的に入院となった.水溶性消化管造影剤の内服およびその後の腹部CT検査で尿膜管と小腸の瘻孔形成が明らかとなった.以上より,尿膜管小腸瘻の診断で手術を施行.尿膜管膿瘍壁は回腸末端から90cmの回腸と強固に癒着しており,回腸および膿瘍腔を含んだ尿膜管を一塊にして摘出した.組織所見では,尿膜管小腸瘻に矛盾しない所見であった.術後経過は良好であり,術後15日目に退院となった.尿膜管膿瘍は膿瘍腔が増大し,その脆弱部より膿が排出されることがある.排膿部位の大部分は臍や膀胱であるが,極めて稀に自験例のように消化管に穿破する.今回,尿膜管と小腸が交通を認めた非常に稀な症例を経験したので報告する.発熱・腹痛を伴う下腹部正中の腫瘤を認める場合は,本症例のような病態も念頭に入れ診療すべきであると考えられた.
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© 2015 日本臨床外科学会
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